『赤石岳の鹿笛』 中 繁彦 作/北島信平 画  ほるぷ出版

 「この本は、南アルプスに囲まれた、信州伊那谷の遠山と呼ばれている山深い山村で、木とともに明治・大正・昭和を生きぬいた、無名の村人の生と死の物語である。・・・」
巻末の解説で、後藤総一郎氏はこのように綴っています。

 信州、伊那谷、遠山郷五か村の共有山(稼山かせぎやま)は、明治12年に売却されてから、次々と転売されていく運命をたどります。その背景にあるのは、明治以降の近代化と都市化。マチをつくるため、木材とパルプが求められたためです。
 14歳で山に入り、時代と運命に翻弄されながら、木とともに生きた杣人(そまびと)の人生が、遠山川の流れのように滔々と鮮烈に描かれている骨太の児童文学です。
(mako)


蔵書コーナーへ戻る